ニンテンドー3DS LLの詳細分解
日経エレクトロニクス分解班よりニンテンドー3DS LL詳細分解しました。皆様は3DS LLを良く認識のために、ここで分解を紹介いたします。役に立ってなら、幸いです。
ご注意:器械玄人ではないなら、勝手に自分の3DS LLを分解しないでください。
では、始めましょう!
①大きいことはいいことだ
3DS LLの電源を入れ、初期設定を済ます(図1)。この時点で、大きくなった裸眼3Dディスプレイの迫力に少々感動した。3DS LLにプリインストールされている3D動画を見た同僚は、「やっぱり大きいことはいいことだ」と満足げだ(図2)。ちなみに同僚と筆者は、いずれも3DSユーザーである。
上側の筐体右側にある「3Dボリューム」を上げ下げすることで、立体感を調整する。3Dボリュームを下げるほど、立体感は弱まり、一番下に行くと、通常の2D映像になる。この機能は3DSと同じだが、3Dボリュームの構造に少々違いがある。3DS LLの場合、3Dボリュームを下げると、途中で「ストッパー」のようなものに引っかかり、一番下までいかない。そこで力を少し入れて3Dボリュームを下げると一番下まで行き、2D映像に切り替わる。これは、立体感を弱めたいにもかかわらず、意図せず2D映像に切り替わってしまうことを防止する措置だ。 3DSの場合は、ストッパーのようなものはなく、3Dボリュームを簡単に一番下にまで移動できたので、意図せずに2D映像に切り替わることがあった。
はやる気持ちを抑えられず、さっそく分解に着手する。
3DSLL対応マジコンまとめ:
3.ACE3DS
4. Gold3DS
5.DSTwo
公式指定販売店:R4M3.jp
さっそく3DS LLの分解に取り掛かる。まずは、メイン基板が格納されているとみられる下側筐体からだ。裏面を見ると、2本見える(図1)。それを外すと、下側筐体の裏面カバーが外れた(図2)。中からは電池が。搭載するLiイオン2次電池の容量は1750mAhと、3DSの1300mAhよりも増えている。
裏面カバーを外した後、ネジが4本見える。これを外せば、筐体は開きそうだ。いずれもプラス・ドライバーで簡単に外せた。
ネジを外し、筐体を開こうと試みる。が、開かない(図3)。どうやらヒンジ部分の付近が何かで止められているようだ。ヒンジそばの裏面には、ゴムの小さなカバーが見える。これが怪しい。マイナス・ドライバーでほじくると、下にネジがあった。小さなゴム・カバーは2カ所あり、それぞれにネジが隠れていた(図4)。このネジを外すと、簡単に開いた。下側の裏面の筐体を止めていたネジは計6本あったわけだ。
筐体を開くと、メイン基板が目に飛び込んできた(図5)。ぱっと見たレイアウトは、3DSのメイン基板とほぼ変わらない。ゲーム・ソフトを挿抜する、大きなスロットが中央部に配置されており、そのそばに無線LANモジュールが実装されている。同モジュールの基板を見ると、「HON HAI」のロゴがあった(図6)。この他、韓国Samsung Electronics社のメモリが、無線LANモジュールのそばにあった。「KLM2G1DEHE」との刻印がある(図7)。
続いて、メイン基板を筐体から取り出そうと試みる。
③メイン基板を取り出す
下側の筐体を開くと、メイン基板が実装されていた。メイン基板をより詳細に見るために、筐体から取り出そうと試みる。基板は、緑色のネジで固定されている。計10カ所ある。ネジ数が多いと感じたが、子供が乱暴に扱う製品だけに、しっかりと固定しているのかもしれない。10本のネジと、メイン基板に接続されているフレキシブル基板を外して、メイン基板を筐体から取り出す(図1)。無線LANモジュールと接続されている同軸ケーブルが邪魔で、メイン基板を完全に取り出せない(図2)。そこで、メイン基板から同モジュールを外した。ボード・ツー・ボードのコネクタを介して接続されていた(図3)。モジュールを外した後、同軸ケーブルも取り除いた。
メイン基板の裏(ユーザーが操作時は表側)を見ると、ほとんど部品が実装されていない(図4)。メイン基板の裏面のレイアウトも3DSとほぼ同じだ。「93045A4」という刻印のある半導体チップと、その周辺に複数の受動部品がある程度だ。その裏側には、SDメモリーカードのスロットと、Liイオン2次電池用の接続端子があった。そのため、この半導体チップは、電源ICとみられる。電源ICの配置は、3DSとほぼ同一だ。
メイン基板の表と裏には、やはりメインCPUがない。3DSと同様に、ゲーム・ソフト用スロットの下に実装されているのだろう。では、同スロットを外してみますか。