M3i zero GMP-Z003を比較検証してみた

M3i zero マジコン

ここ暫くはM3関連のレポートを書いていませんでした。
〈M3iZero〉が出てからは大きなニュースも無くカーネルも時折更新されるだけです。
しかし、その裏で静かに大きな変化が起きていたようです。

前回のレポートで書いたように現行の〈M3iZero〉GMP-Z003基盤です。
しかも従来基盤との互換性は有りません。
どちらの基盤のM3iZeroでも同じカーネルが使用できるのは、
それぞれの基盤用のカーネルが混在した複合カーネルになっているからです。

GMP-Z003基盤のM3iZeroが静かに市場に出始めた時、
当研究所でも何回か入手を試みたのですが届いたのは全て従来基盤のものでした。
それ故、GMP-Z003基盤のM3iZeroの検証は全く行って来ませんでした。
前回のレポートでは新旧のハードウェアを比較しみましたが、
今回はその他の気になる事を比較検証してみました。

■M3SAKURA
前回のレポートではTouchPodカーネルの起動時間を計測して、
GMP-Z003基盤の方が飛躍的に速くなっている事を確認しました。
M3iZeroのもう一つのカーネルM3SAKURAではどうでしょうか。

テストに使用したのはDS Liteカーネルはv4.9xです。
先ずはDSメニューからカーネルのメニューが表示されるまでを計測しました。
結果は従来タイプが約8秒で新タイプが約5秒でした。
これは前回のTouchPodカーネルの時と同じ結果です。

次にゲームの起動時間を計測してみました。
新旧の比較が目的ですのでゲームは任意です。
結果は従来タイプが約12秒で新タイプが約27秒でした。
暫くの間プログレス・バーが表示されてとても実用的とは思えません。

意外な結果のようですが実は当然の結果かも知れません。
M3SAKURAはmoonlightさんが手を引いた後は事実上大きな開発は行われておらず、
TouchPod用のローダを利用する事で便乗更新されて来ました。
GMP-Z003基盤には直接的な対応ではなく間接的に対応しているようです。

■起動プロセス
M3iZeroのカーネルは全てSYSTEMフォルダに格納されていて、
ルートには何も有りません。
従来版では g6dsload.eng → menu.eng といった起動プロセスを辿りましたが、
GMP-Z003版では _M3_MENU.DAT → G003menu.eng となったようです。

従来版ではmenu.engを他ファイルと摩り替える事により、
任意のプログラムを起動する事が可能でした。
GMP-Z003版でも一応この手法は有効ですが、
G003menu.engを走らせた後でないと何等かの環境が整わないようです。

■定番Homebrewの対応
YSMenuは少し手を加える事で殆どのアダプタで起動可能です。
問題はそのアダプタで使用可能なローダをどうするかです。
TTローダ等を解析してアダプタ毎にローカライズして使用するのも一方法ですが、
非常に高度な技術力が要求されます。

YSMenuで選択したROMのパス名をアダプタ固有のローダに引き渡す方法も有ります。
起動プロセスが少々冗長になりますが応用が楽な方法です。
直接にローダを呼び出したりExtLinkを利用する方法が有ります。

今回、GMP-Z003の検証を始めるに当たってネットで情報を収集したのですが、
GMP-Z003に関するものは殆ど見付かりませんでした。
GMP-Z003で使用可能なYSMenuやWood等は公開されていないようです。
それどころかGMP-Z003用のreset.mseさえ見当たりませんでした。