3DS:「すれちがい通信中継所」なりすましハックや、ネット経由でのデータ交換が可能に

任天堂が先週から開始した3DSすれちがい通信中継所」サービスに、さっそく悪用ハックが考案されました。

特定のルータやPC、スマートフォンなどを設定して「すれちがい通信中継所」のふりをさせることで、同じハックを使う遠隔地のプレーヤーと、実際にはすれ違ってはいなくてもネットを介して「すれちがい通信」を発生させることができます。


ニンテンドー3DSの本体機能「すれちがい通信」といえば、ニンテンドー3DSを持ったプレーヤーどうしが物理的にすれ違う(あるいは、一定時間お互いの無線圏内に留まる)ことで、似顔絵アバターキャラクタの Mii や簡単な挨拶、各種のゲームアイテム、ゲームキャラクターのAIといったデータを交換できる仕組みです。

多くのゲームでは使わなくても楽しめる付加価値的な扱いですが、任天堂はこの機能を導入するため、すれちがい通信によって進行する専用のゲームも3DS本体アプリとして標準で組み込んでいます。また今年の6月には、すれちがい通信で進行するゲーム新作 4本 が一本500円でダウンロード販売され、大きな広告を展開しなかったにもかかわらず一か月で計4億円強を売り上げるなど人気を呼んでいます。


任天堂が先日の3DS本体更新 v6.2.0-12J から有効化した新機能「すれちがい通信中継所」は、すれちがい通信をしたいけれど周囲にニンテンドー3DSユーザーがいない、なかなか同じ場所・同じ時間ですれ違わないというプレーヤーの不満を受けた対応策。ゲーム店やコンビニなどにあるWiFi アクセスポイント(ニンテンドーゾーン)を「すれちがい通信中継所」としてデータを一時預かることで、同じ中継所に立ち寄ったプレーヤー(の3DS)どうしならば、同じ時間でなくても時間差ですれ違いできるようにする仕組みです。


現在ネット上でチュートリアルや設定ツールが出回っているハックは、自前のルータやPCなどを「すれちがい通信中継所」になりすましさせるもの。しかも本来の「中継所」のように同じ場所に来た人のあいだで交換させるのではなく、同じハックを実行した人どうしならば移動せずネットを介して「すれちがい通信」が可能です。


どうやって実現しているかを乱暴に解説すると、本物を含む「すれちがい通信中継所」はイメージ図のように中継所そのものがデータを保存して次の3DSと交換しているわけではなく、実際には任天堂のサーバと通信しているため。

中継所(ニンテンドーゾーン)に接続した3DSはインターネット経由で任天堂のサーバにすれちがい通信データを送り、任天堂のサーバは次におなじ中継所からアクセスしてきた3DSに対して、前回預かったデータを送る仕組みと考えられています。

中継所なりすましハックのキモは、この「どこどこの中継所からアクセスしています」という部分を書き換えて、任天堂のサーバに対してアクセス元を偽装できること。

任天堂のサーバからは同じ中継所を経由してアクセスしてきたように見えるため、「同じ中継所」(を示すMACアドレス)で偽装したどうしが場所を超えてすれ違える仕組みです。


このハックに使うなりすまし中継所は、MACアドレスを書き換えられる特定のルータのほか、Mac / Linux / Windows PC や特定の Android スマートフォンでも作成することができます。たとえばRaspberry Pi + USB無線アダプタなど。

また複雑な設定を簡略化するためのツールや、ニセ中継所セットアップ済みで起動するイメージなどの開発も進行しています。(※ 検索して「これを実行するだけ!」ファイルなどを見つけても、素性も確認せずうっかり実行しないこと。拾ったものは食べない)。


すでに多くの成功報告があり改良も進んでいるハックですが、現時点では任天堂の対応・対策は不明。ニンテンドー3DSの無線通信プロトコルそのものが完全解析されたり、実在しない3DSのすれ違いデータが捏造されたといった深刻な事態ではないものの(おなじ中継所には8時間に1回しかすれ違えない制限もそのまま) 、地理的に近い3DSユーザーどうしが通信するという本来の仕組みとバランスを完全に破壊してしまうだけに、何らかの対策は講じてくることが予想されます。

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